レース鳩の血統書の手引き

レース鳩の血統書の見方と書き方

血統書は、1羽の鳩の祖先を曽祖父母までさかのぼって並べた表です。どの枠がどの祖先か、脚環番号や羽色の略号の読み方、近親の見つけ方と、手で書くときの手順をまとめました。

  1. JPN 24 AB 01234
  2. 父: JPN 21 AB 00312
  3. 母: JPN 22 AB 00745
  4. 父の父: JPN 18 AB 01120
  5. 父の母: JPN 19 AB 00208
  6. 母の父: JPN 19 AB 01533
  7. 母の母: JPN 20 AB 00461
  8. 父の父の父: JPN 15 AB 00087
  9. 父の父の母: JPN 16 AB 00412
  10. 父の母の父: JPN 16 AB 00935
  11. 父の母の母: JPN 17 AB 00150
  12. 母の父の父: JPN 16 AB 01278
  13. 母の父の母: JPN 17 AB 00663
  14. 母の母の父: JPN 17 AB 01014
  15. 母の母の母: JPN 18 AB 00329
血統書と同じ並びの血統表の例(見本のデータです)
目次

並び方

左端が、その血統書の鳩(本人)です。右へ1列進むごとに1代さかのぼり、父母、祖父母、曽祖父母と並びます。本人を入れて4代で、祖先は14羽です。

上半分が父方、下半分が母方です。どの代でも、2羽ずつ組になった枠の上が雄(父)、下が雌(母)です。そのため一番上の行を右へたどると、父、父の父、父の父の父と、父から父へさかのぼれます。上の例も同じ並びです。

書いてあること

様式は作る人によって違いますが、本人の欄には次のことを書くのが一般的です。

脚環番号
協会の脚環の番号です。読み方は下の「脚環番号の読み方」。
生年月日
生まれた日です。
性別
♂(雄)・♀(雌)で書きます。
羽色
略号で書くことがよくあります。読み方は下の「羽色の略号」。
作出者
その鳩を生ませた(作出した)人です。住所や電話番号を添えることもあります。
現飼主
今の持ち主です。作出者から譲り受けた鳩では、作出者と違う人になります。
記録
レースの成績です。

祖先の枠には、脚環番号と羽色に加えて、成績や系統などをメモとして書きます。どの祖先がどんな成績を残したか、どの系統の血を引いているかは、このメモから読み取ります。

脚環番号の読み方

日本のレース鳩の脚環は主に2つの協会が出していて、番号の形でどちらのものか見分けられます。

日本鳩レース協会
「JPN 24 AB 01234」のように、JPN・年の下2桁・ローマ字2文字・5桁の数字が並びます。
日本伝書鳩協会
「NIPPON 2024 123456」のように、NIPPON・年の4桁・6桁の数字が並びます。

脚環はその年に生まれたヒナに付けるため、番号の年がその鳩の生まれた年です。祖先の脚環番号を見れば、何年生まれの鳩かも分かります。

羽色の略号

羽色は、英語の名前の頭文字をとった略号で書くことがよくあります。主なものは次のとおりです。

B
灰二引(Blue)。灰色に黒い線が2本入ったもの。
BC
灰ゴマ(Blue Check)。灰二引の灰色の部分に黒のチェックが入ったもの。
DC
濃ゴマ(Dark Check)。灰ゴマの灰色の部分に、黒のチェックがさらに多く入ったもの。
BLK
黒(Black)。
BLKC
黒ゴマ(Black Check)。黒の体に白いチェックが入ったもの。
R
栗(Red)。赤茶色。
S
灰栗(Silver)。白っぽい銀色に、薄い褐色の線が入ったもの。
W
白(White)。
G
グリズル(Grizzle)。モザイクの柄。
M
モザイク(Mosaic)。灰二引や灰ゴマの体に、白いまだらが入ったもの。

系統の名前

祖先の枠に「ヤンセン系」のように書かれているのが系統です。系統の名前の多くは、その血統を作ったベルギーやオランダなどの鳩舎の名前から来ています。

どの系統の血を引いているかは、血統書の中に同じ系統が何回出てくるかを数えると見当がつきます。2003年に『レース鳩』誌に載った入賞鳩439羽の血統書を数えた調べでは、ヤンセン、ローセンス、ヤン・アールデン、ファンブリアーナの順に多く出ていました。

近親の見つけ方

血統書の中に同じ鳩(同じ脚環番号)が2か所以上に出ていれば、その鳩をもとにした近親交配です。たとえば父の父と母の父が同じ鳩なら、父と母は父親が同じきょうだいです。

日本鳩レース協会の解説では、親と子、兄と妹、祖父母と孫の交配を最も近い近親、おじと姪、孫どうしの交配をそれに次ぐ近親としています。近親の交配を何度も重ねた鳩の血統書には、「何重近親」と書かれていることもあります。

同じ解説は、近親交配はうまくいけば優れた子が生まれる一方で、その見込みは低く、体の弱い子が生まれやすいとも書いています。

手で書くときの手順

  1. 本人の欄を書く

    脚環番号・生年月日・性別・羽色・作出者・現飼主を書きます。

  2. 父の血統書から、上半分を写す

    父の血統書の本人・父母・祖父母が、そのまま父・祖父母・曽祖父母の枠に入ります。父の血統書の曽祖父母は、この血統書には入りません。

  3. 母の血統書から、下半分を写す

    同じように、母の血統書の本人・父母・祖父母を、母・祖父母・曽祖父母の枠に写します。

  4. 成績や系統を書き添える

    本人と祖先の成績や系統を、それぞれの枠のメモに書きます。

親の血統書がないときは、分かる祖先だけを書き、分からない枠は空けておきます。

Tailtree で血統表を作る

手で書くと、子が生まれるたびに親の血統書から祖先を写すことになります。Tailtree では、脚環番号で鳩を登録して父と母を選ぶだけで、上の例のような4代の血統表が自動でできます。祖先を1羽直せば、その鳩が出てくるすべての血統表に反映されます。

できた血統表は、作出者・オーナー・品種を並べた血統書の様式で、A4 横の1枚に印刷できます。羽色や系統は、鳩ごとの品種の欄に書いておけば血統書に載ります。祖先の成績やメモを載せることは、まだできません。

鳩の血統とレースの成績の管理でできることは、次のページにまとめています。 レース鳩の血統管理

参考にした資料

種鳩を数羽登録して子に父と母をつなぐと、血統表ができあがります。